資産形成とは?種類と利用できる制度を解説

「将来のために何か資産を増やす方法はないかな?」

「投資って難しそうだし、リスクが怖いな……」

そんなふうに悩んでいませんか?

実は、資産形成は特別な人だけがするものではなく、誰もが始められるものなんです。

そこで今回は、資産形成の基本から具体的な種類まで、初心者の方でも分かりやすく紹介します。

将来への不安を少しでも解消し、安心して暮らすための第一歩を、ぜひこの記事で踏み出してみましょう。

目次

資産形成とは

資産形成とは、将来のために計画的にお金を貯め、増やしていく活動のことです。

単に給料を貯金するだけでなく、その貯めたお金を投資などで効率的に増やしていくことで、より豊かな未来を築くための基盤を作れます。

資産形成の柱となるのは主に「貯蓄」と「投資」の2つです。

働いて得た収入から計画的に貯蓄し、さらにその貯蓄したお金を株式や投資信託などで運用することで、「お金に働いてもらう」という考え方です。

「でもなんだか難しそう…」と思われるかもしれません。

資産形成の考え方は意外とかんたんです。

資産形成は、自分のライフスタイルや将来の目標を考慮して、貯蓄と投資のバランスを取ることが大切なのです。

とくに30代の若い方にとって、今から始める資産形成は将来の大きな安心につながるでしょう。

資産形成はなぜ重要?

資産形成は単にお金をためることではなく、人生の夢や目標を叶えるための重要な手段となります。

今は会社勤めで安定した収入がある人でも、将来はどうなるかわかりません。

景気の変動や予期せぬ出来事、さらには老後の長い生活を考えると、今から計画的に資産を築いておくことは、将来の安心を買う行為といえます。

とくに、結婚したばかりで将来子どもを考えている方にとって、教育費や住宅購入、そして老後資金など、ライフステージの変化に合わせてお金が必要になる場面は増えるでしょう。

公的年金だけでは老後の生活を十分に支えられない可能性があるため、自分自身で資産を形成し、将来の生活にそなえることが今や必須となっているのです。

将来の不安を減らし、人生の選択肢を広げるためにも、資産形成の第一歩を踏み出すことが重要です。

資産形成の種類

資産形成にはさまざまな方法があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。

資産形成の主な種類には以下のようなものがあります。

  • 預貯金
  • 外貨預金
  • 株式投資
  • 投資信託
  • 債券
  • 不動産
  • 保険

預貯金

預貯金は資産形成の第一歩として最も基本的な方法です。

銀行に預けたお金に対して利息がつく仕組みで、手軽さと安全性が最大の魅力といえるでしょう。

銀行預金の大きなメリットは「すぐに現金として引き出せる」という点にあります。

筆者

急な出費が必要になった時でも、ATMですぐに引き出せるので安心です。

また、銀行預金には「預金保険制度」という保証があることも重要な点です。

預金保険制度とは、万が一お金を預けている一銀行が破綻してしまった場合でも、元本1,000万円までとその利息が保護される制度のことです。

そして、お金を少しでも多く増やしたい場合は、普通預金よりも金利の高い定期預金を選ぶとより効果的です。

外貨預金

外貨預金とは、日本円を外国通貨(米ドルやユーロなど)に換えて預ける方法です。

通常の円預金と異なり、預け入れた通貨の金利が適用されるため、円預金よりも高い金利が期待できる場合もあります。

たとえば、米ドル預金なら日本より高金利の米国の金利を受けとれる可能性があるのです。

筆者

また、円安になれば為替差益も得られるチャンスがあります。

たとえば、1ドル=100円の時に10万円(1,000ドル)を預け、1ドル=110円になった時に円に戻すと11万円になり、1万円の為替差益が生まれます。

ただし注意点もあります。

銀行預金と異なり、外貨預金は預金保険制度の対象外です。

つまり、銀行が破綻しても元本保証はないというリスクがあります。

また、円高になれば為替差損が生じる可能性もあるため、為替の変動リスクを理解した上で始めることが重要です。

外貨預金は、多くの銀行でインターネットバンキングでかんたんに始められます。、

ぜひ気軽にチャレンジしてみてください。

株式投資

株式投資とは、上場企業が発行する株式を購入することで、その企業の成長による株価上昇や配当金という形で利益を得る方法です。

たとえば、1万円で購入した株が1万5千円になれば、5千円の利益になります。

また、多くの企業は利益の一部を株主に還元する「配当金」を支払うため、定期的な収入も期待できます。

さらに、株主になると「株主優待」というおまけが付いてくる企業もあります

筆者

商品券やその企業の製品、サービスの割引などが得られるため、実質的な利回りが高くなることもあります。

「でも株式投資は初心者にはハードルが高いのでは?」と思われるかもしれませんね。

確かに専門知識は必要ですが、最近は少額から始められるネット証券もふえています。

ただし、株式投資の最大のリスクに「株価が大きく変動してしまう」という問題があります。

そのため、短期的には損失が出る可能性があることには注意が必要です。

まずは次に解説する投資信託など、分散投資できる商品から始めて、徐々に個別株に挑戦するのがおすすめです。

投資信託

投資信託とは、多くの人からお金を集めてプロの運用者が株式や債券などに分散投資する金融商品です。

最大の魅力は「運用はプロに任せておける」という点です。

投資の専門知識がなくても、資産運用のプロが投資先を選び、運用してくれるので安心してまかせられます。

また、1つの投資信託で多数の銘柄に投資できるため、分散投資によりリスクが軽減されているのも大きなメリットです。

たとえば、日本株だけでなく、米国株や新興国株、債券など様々な資産に分散投資することで、一部の資産が値下がりしても全体への影響を小さくできるのです。

ただし、投資信託には「信託報酬」という投資信託を保有している間にかかる手数料があることも覚えておきましょう。

この手数料は商品によって異なります。

長期投資の場合は影響が大きいため、なるべく手数料が低い商品を選ぶことも重要です。

筆者

初心者の人は、毎月一定額を積み立てる「積立投資」から始めるのがおすすめです。

いまや多くの証券会社で月々100円という少額から始められるので、なるべく早いうちにチャレンジしてみましょう。

債権

債券とは、国や企業にお金を貸して、その見返りとして定期的に利子を受け取れる金融商品のことです。

かんたんに言えば、自分がお金を貸す側になり、定期的に利息を受け取る仕組みです。

債券の大きな特徴は、満期になれば投資したお金(元本)が返却されることです。

たとえば、10年満期の国債を購入した場合、10年間は定期的に利子を受け取り、満期時には元本が戻ってくるというわけです。

筆者

債券は株式と比べると比較的安全性の高い投資方法と言われています。

ただし、債券を発行した国や会社が倒産すると、お金が返ってこない可能性があります。

これを「デフォルトリスク」と呼びますが、日本国債や優良企業の社債であればそのリスクは低いでしょう。

「でも、どうやって債券を購入するの?」と思われるかもしれません。

債権は銀行や証券会社で購入できますが、最近では投資信託を通じて債券に投資することも一般的です。

初心者の方は、債券型の投資信託から始めるのが手軽でおすすめです。

不動産

不動産投資とは、アパートやマンションなどの物件を購入し、賃貸として貸し出すことで家賃収入を得る資産形成方法です。

株式や債券などの金融資産と違い、実物資産であるため「目に見える安心感」があるのが特徴です。

たとえば、1,000万円でワンルームマンションを購入し、月5万円で貸し出せば、年間60万円の家賃収入が得られる計算になります。

また、不動産価格が上昇すれば、売却時に売却益(キャピタルゲイン)も期待できるのです。

ただし、不動産投資には他の投資と比べて2つほど注意点があります。

1つ目の注意点は、初期投資に大きなお金が必要なことです。

一般的に数千万円規模の資金が必要となり、ローンを組む場合も多いでしょう。

2つ目の注意点は、水漏れやエアコン故障などの修繕費や管理会社への委託費用、固定資産税などの税金も考慮する必要がある点です。

このように、本格的な不動産投資は資金面でハードルが高いですが、最近は数万円程度から始められるREIT(不動産投資信託)という選択肢もあります。

まずはそういった商品から不動産投資に触れてみるのもいいでしょう。

保険

保険の中には「貯蓄性」があり、保障を受けながら資産形成もできる商品があります

一般的な保険というと、病気やケガなどの「もしも」に備えるものというイメージがあるかもしれません。

しかし、中には満期返戻金や解約返戻金を受け取れる保険商品もあります。

満期返戻金(まんきへんれいきん)とは、保険の満了時に受け取れるお金のことです。

たとえば、保険商品の中には、30年満期の終身保険に加入した場合、30年後に満期返戻金を受け取れるものがあります。

また、解約返戻金とは、保険の中途解約時に受け取れるお金のことです。解約のタイミングによって金額が変わります。

このように、払い込んだ保険料以上に保険金を受け取れれば、利益が出せる可能性があります。

保険を使った資産形成の最大のメリットは、「リスクに備えながら資産形成できる」という点でしょう。

ただし、保険は保障がおもな目的の商品なので、純粋な資産形成という観点では運用利回りが低いケースが多いことも理解しておきましょう。

保険と投資をそれぞれの目的に合わせて使い分けることが、ベストな選択といえます。

活用できる制度

資産形成を効率的に進めるためには、国が用意した税制優遇制度を活用しましょう。

これらの制度を利用することで、通常なら支払う必要のある税金が軽減されたり、非課税になったりするため、資産形成のスピードが格段に上がります。

とくに活用すべき制度には以下のようなものがあります。

  • NISA
  • iDeCo

NISA

NISAとは「少額投資非課税制度」のことで、株式や投資信託などの運用益が非課税になるお得な制度です。

通常、株式や投資信託で得た利益(配当金や売却益)には20.315%の税金がかかります。

しかし、NISA口座で運用すれば、その運用益はまるまる非課税になるのです。

NISAの主なメリットは以下の3つです。

  • 運用益が非課税になる
  • 最低100円から積み立てができる
  • いつでもお金を引き出せる

特に2024年からは「新NISA」という制度がスタートし、非課税枠が拡大されました。

元本は1,800万円まで非課税で運用でき、途中で売却しても非課税枠が復活する制度になりました。

「でも、どんな商品に投資すればいいの?」と思われる方もいるでしょう。

NISAでは主に投資信託を購入する方が多く、特に世界中の株式に分散投資するインデックスファンドが人気です。

初心者の方は、まずはNISAで毎月一定額を投資する方法がリスクを抑えつつ始められるのでおすすめです。

iDeCo

iDeCo(イデコ)とは「個人型確定拠出年金」のことで、老後の資金づくりを国がサポートしてくれる制度です。

iDeCoの最大のメリットは、3つの税制優遇が受けられる点です。

  • 掛金(積立金額)が全額所得控除される
  • 運用益が非課税になる
  • 受け取り時にも税制の優遇がある

とくに1つ目の「所得控除」は大きなメリットです。

たとえば、年収500万円の方が月々2万円(年間24万円)をiDeCoに拠出すると、払う税金が5万ほどお得になる計算です。

また、NISA同様運用益が非課税になります。

ただし、大きな注意点として「60歳まで積み立てたお金を引き出せない」というデメリットがあります。

途中で必要になっても原則として引き出せないので、まずは緊急資金を別に確保してからiDeCoを始めることが重要です。

資産形成をするときのコツ

効果的な資産形成には、いくつかの重要なコツがあります。

資産形成を成功させるための主なコツには以下のようなものがあります。

  • 計画を立てる
  • 資産の分散をする
  • 現金でも資産を保有する
  • 長期保有する

計画を立てる

資産形成においては、まず計画を立てることがもっとも重要です。

なぜなら、計画がなければ、どこに向かっているのか、どれくらいの速さで進むべきかがわからず、目的地にたどり着けない可能性があるからです。

効果的な資産形成計画を立てる際に最も重要なのは、「なぜ貯めるのか(目的)」と「いつまでに貯めるのか(期限)」を明確にすることです。

たとえば30代前半の方の場合、以下のような具体的な目標を設定するとよいでしょう。

  • 子どもの教育資金:1,000万円を15年後までに
  • マイホーム頭金:500万円を5年後までに
  • 老後資金:3,000万円を30年後までに

このように目的と期限が明確になれば、それに向けて毎月いくら積み立てればよいかが計算できます。

「でも、将来のことなんてわからないし…」と思われるかもしれませんね。

確かに人生には予期せぬ出来事が起こりますが、それでも計画を立てることで、修正すべき点が明確になります。

計画は定期的に見直すことを前提に、まずは自分の目標に向かって第一歩を踏み出すことが何よりも重要です。

資産の分散をする

「卵は一つのカゴに盛るな」ということわざがあるように、資産形成では分散投資が非常に重要です。

なぜなら、一つの投資先にすべてのお金を集中させると、その投資先が失敗したときにすべてを失うリスクがあるからです。

たとえば、株式市場だけに投資していると、株価下落時に大きなダメージを受けます。

しかし、株式・債券・不動産・現金など、値動きの異なる資産に分散して投資していれば、一部の資産が下落しても他の資産が支えとなり、全体のリスクを抑えられるのです。

筆者

投資信託を利用すれば、簡単に分散投資ができます。

とくに世界中の株式や債券に投資するグローバル型の投資信託なら、国内外の様々な資産に一度に投資できるため、初心者の方にもおすすめです。

現金でも資産を保有する

資産形成をする際は、預貯金など、現金でも資産を保有することが大切です。

現金の最大の特徴は流動性が高く、すぐに取り出せるという点です。

流動性とは、金融商品などの現金化のしやすさのことで、急な出費が必要になった時にすぐに対応できるかどうかを表します。

現金は市場の上下の影響を受けません。

株式市場が暴落しても、銀行預金の価値は変わらないので、安定した資産といえるでしょう。

現金を持っていれば生活必需品などの購入に充てられますし、緊急時の備えにもなります。

さらに、株価が暴落したときは、株式を安く買えるチャンスですので、次の投資チャンスをつかめやすくなります。

このように、現金を保有しておくといざという時に安心です。

長期保有する

資産形成で成功するためにもっとも大切なのは、投資商品を長期保有することです。

長期保有することで、「複利」の効果が働いて、資産が雪だるま式に増えていきます。

複利とは、元本だけでなく、その利益にも利益が発生する仕組みのことです。

たとえば、100万円の投資が年5%で増えると、1年後には105万円になります。

2年目には105万円から5%の利益が出るので、約110.3万円になります。

さらに時間が経つにつれて、この効果はどんどん大きくなっていきます。

また、短期的な市場の変動に惑わされないことも重要です。

たとえば、2008年のリーマンショックの時は、世界中の株価が大暴落しましたが、回復までに5年ほどの期間がかかりました。

このとき慌てて売却してしまうと大きな損失を確定させることになりますが、長期保有していれば市場の回復とともに資産も再び増えていきます。

短期的な価格の上下に一喜一憂せず、長期的な視点で淡々と積み立てていくことが、資産形成成功の鍵といえます。

まとめ

本記事では、 資産形成について基本から実践的なコツまで解説してきました。

資産形成は単なるお金集めではなく、自分の将来の夢や目標を実現するために重要です。

とくにこれから人生を充実させていきたい20〜30代の若い方にとって、今から始める資産形成は将来の大きな安心につながるでしょう。

資産形成は、短期的な結果に一喜一憂せず、コツコツと続けることが何よりも重要です。

とくにNISAやiDeCoなどの税制優遇制度を活用し、分散投資を心がけることで、リスクを抑えながら効率的に資産を増やせるでしょう。

一番重要なのは「今日から始める」ということです。

ぜひ記事を参考に、今日から自分にあった資産形成をスタートさせてみてください!

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